le 5 Mars 2018 Carson McCullers
マッカラーズの「結婚式のメンバー」を読みました。
村上春樹の新訳のものです。
12歳の少女の「気の触れたある夏の日」の心の襞がこんなにも細やかに描かれ、夏の黄昏の空気が感じられる小説であることに心震わせながらすべてのページをいつくしみながら読みました。
カーソンマッカラーズの「心は孤独な狩人」をはじめて読んだのは大学1年生の時。
そういえばあの時にアメリカ小説の面白さに目覚めて、アメリカ小説を専攻したいと思ったのでした。もうずいぶん昔のことですが。
大学で研究者のはしくれに身をおくようになって自分の大学生時代を思い出すとき、なぜあの時、環境や健康というジャンルに気づかなかったんだろう、あの大学の4年間、何を学んでいたのだろう、何も身につかなかったし、時間を無駄にしたのかもしれない、と思うことが度々ありました。
でも今思うと、あのころたくさんの「小説」を読んでいたし、言葉や文章の面白さも美しさも充分味わい楽しんでいたことを思い出しました。
そして今もやっぱり「読むこと」は大好きでとても楽しい!
結婚式のメンバー
カーソン・マッカラーズ 村上春樹訳
「村上柴田翻訳堂」新潮社