UNHCRで思ったこと

8月末のシャリテ医科大学での集中講義の際に
ドイツ人の女子学生と原発について話していたとき
「ドイツでは今は原発より難民問題のことばっかり。」
といわれました。
のんきな私は「どこからの難民なの?」などと聞きながら
「ドイツではトルコ人とか多いし、受け入れ態勢ができているから
 来る人も多いんだろうな。」などと思っていました。

それから数日後、ジュネーブでテレビを見ていたら
ブタペストの鉄道駅の難民が入っていて、その数が1500人
ブタペスト市内には15万人の難民がいて、その大部分がドイツを
目指しているという報道がありました。

その日、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)を訪れる機会があって
「日本は以前にボートピープルといわれたインドシナ難民をなかなか
 受け入れず その数も少ないことから世界から避難されたけれど、
 そして今も難民の認定はかなり狭き門のようだけど、そんな中で、
 今、日本は何を期待されていますか。」と聞いてみました。

UNHCRの方は日本を非難などすることはまったくなく、
 
 日本は拠出金額はとても多くて感謝している、
 難民受け入れもインドシナ難民は多く受け入れたし、
 現在、ミャンマー人の認定者は70人くらいいるのではないか、

というお返事でした。

実のところ、法務省のHPによると2014年の難民認定申請は5000人、
認定されたのは11人(!)、人道的配慮が必要と庇護された人は
110人にすぎなかったそうです。
5000人の申請した人のうち、受け入れられなかった人の中には
確かに問題あり人もいただろうけれど、そうでなく、日本語が
よくわからなかったり、教育を受けられずにいてどうしたらいいか
分からない人たちはどうやってこれから生きていくんだろう。

その人たちは在留資格をもっているのか、それとも在留資格
持たず、不法滞在をしているのか、そうだとしたら、不安のなかで
将来の展望もなかなか持てず、劣悪な環境で搾取されているので
はないだろうか、そんなことは私の考えすぎなのか、

平和な日本にいるとなかなか見えないことが、外国にいると
少し見えることがあります。
シリア、イラクスーダンアフガニスタンなど、日本からは
遠い遠い国だけれど、ヨーロッパでは多くの人が身近なことと
して考え行動しているような気がしました。